インタビュー詳細

Profile

ユニットマネージャー・課長

平田 紗央里さん(34) 2016年入職

社会福祉法人 大翔会 Greenガーデン南大分

中学の頃から思い続けた介護の仕事

中学生の頃、母親の知り合いがしていた小さな宅老所(地域に密着した高齢者施設)を見学させてもらう機会があったのですが、その時はじめて介護という仕事があることを知りました。その宅老所は普通の住宅で、ゆったりした時間が流れていて、なんとなく「いいなぁ」という印象があったんだと思います。それ以来、心のどこかで「将来は介護の仕事をしたい」と思うようになっていました。

高校は普通科を卒業して、大分市の「介護専門学校」に進学しました。専門学校では、私が携わりたいと思っていた重度の障がい者施設に実習に行きました。実習を通してその施設で働きたいという気持ちが強くなったのですが、求人を募集していなかったので、学校を通して問い合わせてもらい、就職することができたんです。

その後、高齢者施設でも働いたのですが、在宅での生活が困難になった要介護の高齢者の方を最期まで介護する特養(特別養護老人ホーム)で勉強してみたいなと思うようになったんです。そして2016年、特養もある施設「Green ガーデン南大分」に入職しました。今は介護課長として、私自身、現場で利用者さんのケアに携わったり、他の職員の相談を受けてアドバイスをしたりしています。

ノーリフティングケアとの出会い

ノーリフティングケアについては、こちらに入職してはじめて知ったのですが、実際、ノーリフティングケアを取り入れた介護を行ってみて、利用者さんの生活の質が明らかに高まっているのを感じています。身体の状態が良くなって、いろんなことができるようになっていった利用者さんを何人も見てきました。たとえば、全介助の状態から、少しおしりが持ち上げられるようになった方もいます。

抱え上げる介護の場合は、人の手で抱えられた利用者さんが、怖くて体にギュッと力が入ってしまい拘縮(関節が固まる)してしまうこともあるのですが、私たちの施設では拘縮した利用者さんはいません。移動するときは床走行式リフトを使えば、利用者さんの顔を見ながら説明や声かけができます。そうやって、不安やストレスがないように寄り添ってケアができるというのも、ノーリフティングケアの大きなメリットだと感じています。私自身も以前は腰痛を持っていましたが、今ではすっかりよくなっています。

ノーリフティングケアが、利用者さんにとっても私たちスタッフにとっても、すごくいいケアなんだとわかって、ますます興味が湧いてきたので、日本ノーリフト協会主催の研修にも参加して、「ノーリフトコーディネーター」という資格も取得しました。ノーリフティングという素晴らしいケアに出会えて、あらためて介護の仕事をしていてよかったと思いますね。

「介護職=キツイ」というイメージを変えていきたい

今後はノーリフティングケアの大切さをしっかりと後輩につなげていかないといけない、と思っています。そして、ちょっと時間はかかりますが、「介護職=キツイ」というイメージを変えていきたいです。介護の仕事も他の仕事と同じように、キツイだけではなく楽しいこともありますから。

当施設では、ノーリフティングケアのほかにも、認知症の方への対応にユマニチュード(人間らしさを尊重するケアの技法)を取り入れています。将来的には人間の行動を認知するAIも導入される予定です。

このような先進的な考え方や技術を取り入れて、利用者さんと職員が一緒にお茶をしながら笑いあって過ごす、そんな温かい介護の現場をつくっていこうとしている私たちのような施設があることを知ってもらいたいです。そして、介護職が魅力的な仕事であることを若い方たちに伝えていけたら、と思っています。