インタビュー詳細

Profile

サービス提供責任者

佐藤 由香里さん(41) 2010年入職

社会福祉法人 若山会 ヘルパーステーションわかば

就職のためではなかった、資格の取得

私が介護の仕事をはじめるきっかけになったのは、ホームヘルパー2級(現在の介護職員初任者研修)を取得したことです。といっても、介護の仕事をしたいと思って資格を取得したわけではありませんでした。

ある時、祖母の入院先の病院に妹と一緒に行って食事を手伝う機会があったのですが、介護の仕事をしている妹が、食事が終わった後、さっと義歯を洗って祖母に渡していたのを見て「すごい」と思ったんです。私は何をどうしたらいいか分からず、何もできないままでした。
その時「自分自身の生活の中で役立つように、介護のことをちゃんと学びたい」と思い、資格を取ることにしたんです。

当時はバス会社でパートとして長く働いていたので、平日はパートの仕事をして、土日はヘルパー2級の資格取得のために学校に通いました。
そして、こちらの訪問介護事業所で実習をさせてもらった時に、「ヘルパーは今の仕事を辞めなくても、空いた時間で働けるよ」と教えてもらいました。そこで、これまでのパートを続けながら、都合の良い日にヘルパーとして訪問介護の仕事をしていました。

それから4年が経つころ、施設側から「正職員として、本格的に介護の仕事をやってみない?」と声をかけてくださいました。ヘルパーの仕事にやりがいを感じていましたし、将来的な安定を考えると正職員として働けることはありがたかったので、パートを辞めて、介護職の正職員として働きはじめました。

特別養護老人ホームの入所者様を支援

入職して配属されたのは、特別養護老人ホーム(以下、特養)でした。
特養の入所者様は、身体が思うように動かせない介護度3以上の方や認知症を発症されている方、寝たきりの方など、介護度の高い方が多いのですが、そのような方々に職員が交代勤務で24時間体制の生活支援をしています。
特養では「ユニット」がひとつの生活単位になります。1ユニットごとに複数の入所者様の専用生活スペースがあり、専任の職員が配置されます。

私は全室個室の「新型ユニット」に約4年勤務していましたが、早出、日勤、遅出、夜勤の四交替制、他の職員と密に連携を取りながら支援を行っていました。
仕事内容は、自分が担当するユニットの食事の準備や介助、入浴介助、排泄介助、シーツ交換、部屋の片づけ、レクリエーション、就寝中の見守りなど、働く時間帯によって変わります。

夜勤では、1人で2ユニットの入所者様の見守りをしていました。1時間に1回、入所者様のお部屋に入らせてもらって様子を確認するほか、排泄の介助、体位交換、トイレの付き添いなど、それぞれへの対応があります。

特養で大変だったことのひとつが、新たな入所者様をお迎えする時です。その方が認知症の方であれば、「ここは安全な場所ですよ、私は怖くないですよ」と伝わるように、事前にいただいた情報をもとにその方の興味を持てるような話をして、とにかく安心してもらえるようにしています。
お身体が不自由な方であれば、ご自宅で過ごしていた環境となるべく近い環境を整えて、趣味を楽しんでもらうなど、できる範囲でご自分らしく過ごしてもらうようにしています。

介護度はもちろん、生きてきた背景や大事にしているものがそれぞれに異なる入所者様を支援していくためには、お一人おひとりの日頃の何気ない会話や表情、行動から、心を読み解く力が大切だなと感じています。
そうやって少しずつ入所者様のことを理解できるようになり、心が通じ合って、信頼してもらえるようになると嬉しかったですね。

訪問介護施設のサービス提供責任者に

4年間特養で働いた後、訪問介護の施設に異動してきて、今はサービス提供責任者として働いています。
サービス提供責任者は、訪問介護サービスの実施計画を立てたり、ヘルパーとケアマネジャーとの連携や、ヘルパーと利用者の調整を図ったりします。私自身、ヘルパーとして利用者さんのご自宅にうかがうこともあります。

今はヘルパーの高齢化が進んでいて、特に由布市は需要があるのに事業所が減ってきているので、これからは、若いヘルパーを増やしていくことにも力を注いでいきたいと思っています。