インタビュー詳細

Profile

訪問介護員・介護福祉士

衛藤 加代さん(41) 2013年入職

社会福祉法人 若山会 ヘルパーステーションわかば

子育てをしながら、訪問介護のヘルパーに

私は訪問介護の事業所でヘルパー(訪問介護員)として働いています。
訪問介護とは、要支援・要介護の高齢者の方が自立した在宅生活を送るために、ヘルパーが利用者のご自宅を訪問して支援を行うサービスです。

結婚してからずっと専業主婦だった私は、3人の子どもの子育てが少し落ち着いてきた33歳の時に「働きたい」と思っていたところ、こちらで働いている知人に誘われてヘルパーとして働くことにしました。小さい頃から年配の方がまわりにたくさんいたので、年配の方と接することは好きだったんです。
ヘルパーになるためにはヘルパー2級(現:介護職員初任者研修)の資格が必要なため、まず、専門学校に通って資格を取得しました。

ヘルパーには、「登録ヘルパー」と「常勤ヘルパー」の2種類があります。
「登録ヘルパー」は訪問先1件に対して報酬が支払われる形態で働きます。基本的に自宅から直行直帰のスタイルです。「常勤ヘルパー」は、9時から17時までの勤務時間の中で、事務所を拠点に訪問先に向かいます。仕事内容はどちらも同じです。

私は7年間登録ヘルパーとして働きました。はじめの方は、自分の都合の良い日に1日1件1時間程度というペースでしたが、少しずつ件数を増やしていきました。この間に4人目を出産し、8カ月お休みをいただいたのですが、引き続き働き続けています。「ずっとヘルパーを続けていきたい」という思いから、2020年より常勤ヘルパーとして働いています。

利用者様の「できること」を奪わない

ヘルパーは、利用者様の支援プランに沿った身体介護や生活支援を行っています。身体介護とは、排泄、食事、清拭、入浴、移動などの見守り、服薬チェックなどです。生活支援とは、掃除、洗濯、調理、買い物など、日常的な家事全般です。
1件の支援時間は30分から長くて2時間かかります。30分では、おむつ交換など排泄介助が多く、入浴の場合は1時間、身体介護と生活支援の両方行う場合は1時間半から2時間になり、私は、1日平均4~5件の支援に入っています。

利用者様により介護度が違いますし、ご家族と同居か、独居かなど、環境もさまざまです。毎日支援に入る方もいれば、週1回の方もいるため、一人として同じ支援はありません。

ヘルパーは、お一人おひとりの意志を尊重して、ご自分らしく、できるだけ自立した在宅生活を長く送れるように支援しています。
支援する上で大切にしているのは、利用者様の「できること」を奪わないこと。たとえば、料理ができない方でも、お米を研いだり、玉ねぎの皮をむいたりと、部分的にできることがあればしてもらいます。
また、利用者様のご家族など、介護関係者の窓口となる方をキーパーソンと呼んでいますが、ご本人だけでなく、キーパーソンの思いをお聞きすることも大切にしています。

「サービス提供責任者」をめざして

私たちの事業所では、私を含めて10名のヘルパーがいます。9名は登録ヘルパーで、私のみ常勤ヘルパーです。このほか、2名のサービス提供責任者(以下、サ責)と3名のケアマネジャーが働いています。
ケアマネジャーが立てた介護プランを基に、サ責が介護サービスの計画を立てて、ヘルパーに支援依頼を出しています。その上でヘルパーが利用者様を訪問しています。

サ責もヘルパーとして支援に入ることがありますが、基本的に、10名のヘルパーで60名の利用者様を支援しています。登録へルパーは1人につき約20名の利用者様に対応しています。私は9割以上の利用者様に対応できるのですが、全利用者様に対応できるようになりたいと思っています。

今は子育て中なのでパート職員として働いていますが、子どもが成長したら、こちらで正職員として働きたいです。そして、サ責として、ケアマネ・ヘルパーとの連携・調整をするコーディネーター業務を担っていきたいです。
こちらで働いているヘルパーは年配の方が多いのですが、みなさん本当に人が良くて、なんでも言いあえる良い関係を築けています。これからもみなさんと一緒に働いていけたら、と思っています。