インタビュー詳細

Profile

介護職員

澤上晃児さん(43) 2020年入職

社会福祉法人 九州キリスト教社会福祉事業団 特別養護老人ホーム いずみの園

自営業から介護職へ、コロナ禍の転職

令和2年4月、コロナ禍の影響で、父親の代から30年近く続く飲食店の廃業を決めました。その後、知り合いの飲食店で働き始めたのですが、その店も閉めることになったんです。コロナ禍で飲食店で働くのは厳しいことを痛感して、異業種に転職することに決めました。
私には来年小学校に入学する6歳の息子がいますし、将来的に安定した職に就きたいと考えていた矢先、こちらの「いずみの園」の求人募集をたまたま見つけました。

その時、青森県で介護施設に入っていた祖母のことを思い出しました。最期に会うことはできなかったのですが、何度か施設に面会に行ったことがありました。思えば、おばあちゃん子だった私は小さいころから祖母以外の”おばあちゃん”にもかわいがられてきました。
どこに行っても、おばあちゃんから好かれるんですよ。「こうちゃん、お茶入れたけん飲みに来よー」などと言ってもらえることがしょっちゅうで。ですから、介護施設で働くのもいいなと思ったんです。

介護はこれからますます人が必要になる業界ですから、仕事がなくなる心配がないこともひとつの動機です。経験や資格がなくても働けるということだったので面接をお願いして、面接から1週間もたたないうちに働きはじめることになりました。

未経験者でも働きやすい環境

現在、特養で利用者様の食事や排泄、入浴などをはじめ、生活全般を支援しています。入職したばかりの時は、仕事のことは全くわからない状態でしたが、介護職員初任者研修を受けて、スタッフのみなさんにやさしく指導してもらいながら少しずつ覚えていきました。
はじめは特に排泄介助に抵抗がありましたし、夜勤もあり、飲食業とは全く違う世界に戸惑うことが多かったのですが、だんだんと慣れていって、今では全く抵抗はないですね。

飲食業での経験を介護職に生かせているとしたら、「接客」の部分でしょうか。まず、人と接してお話するのは好きですし、全く苦にはならないです。お客様をはじめいろいろな方と接してきたので、「この方はこんな人かな」とか「今、こう思っているのかな」とか、直感でなんとなく分かることも今の仕事に生かせていると思います。

異業種から転職してもうすぐ2年が経ちますが、今は介護の仕事にやりがいと誇りを感じています。利用者様からの「ありがとう」の一言が、何よりもうれしいですね。妻や自分の親も「こうちゃん、あなた、そこが一番合っちょるわ」と、介護職で働くことを応援してくれているので励みになっています。

今後、ますます介護の仕事を極めていきたいと思っており、「介護福祉士」の資格を取得するのが目標です。
私は調理士の資格を持っているので、いつか介護と調理をリンクさせて、食事やお菓子関連の企画や行事ができるようになったら面白いなと思っています。

介護職が気になっている方は、施設を見学するのがおすすめ

私のように異業種から介護職への転職を考えている方は、不安や迷いも大きいですよね。まずは、介護施設がどのようなところか、どんな仕事をするのかを知るために、実際に施設を見学して、話を聞いてみることをおすすめします。その上でじっくり考えてみるといいと思いますよ。

介護業界は今、介護者の身体的負担が軽減するノーリフティングケアという介護方法や、ICTの活用などが導入され、先進化が進んでいるので、今後、より働きやすい環境が整っていくことが期待できます。ですから、異業種からでもぜひチャレンジしてみてほしいです。一緒に介護の明るい未来を築いていきましょう。