大分市・五反田法行さん

障害者自立生活センター「ばりFLATおおいた」 代表/車椅子ツインバスケット「ブレイカーズ」選手/一児のパパ

同じ境遇の人と話すことがきっかけだった

高校の部活の披露会で、すげーかっこいいなと思ったことが男子新体操部へ入部したきっかけですね。17歳の時に団体演技中に後方宙返りで失敗してしまい、頸髄を損傷しました。現在は車いす生活を送っています。怪我した瞬間は演技中で、自分に何が起きてるかわからなかったですし、演技に戻らないといけないと頭では思うんですけど、体が動かない、首から下の神経がなくなっていく感じがありました。

当時家族はかなり泣いてて、正直家族が泣く姿を見たくないなという思いもありましたね。

入院生活で同じような障がいのある人が運転免許を取ったり、結婚をしたりとか、子どもができたりとかいろんな情報を聞くなかで、自分も頑張ったらそういった生活が送れるのかなって思うようになって。最初の時点では、本当にできるのかなって不安もありましたよ。
けど、同じような障がいのある方と話すなかで、楽しみになったりとか自分が変わるきっかけになったなって今は思ってて。そういう出会いがなかったら、自分は実家でまだひきこもりの生活を送っていたかもしれません。

五反田さんの車いす。車輪に見えるキャラクターのシールは、息子さんが貼ってくれたそう。

出会いは「劇団まぜくる」

結婚は……させていただいてる? はい、結婚しています。出会いとしては8年前になるんですけど、「劇団まぜくる」のボランティアに参加していたのが今の妻です。出会って1年目は普通に友達関係だったんですけど、2年目を迎えるにあたって、主人公とヒロインを決めないといけないってことになって、なんと自分が主人公になってヒロインが妻になったんです。劇の内容もどんどん妻に惹かれていくっていう。それが実際になったんですよ。

最初の頃はみんなの盛り上げ役である妻をおもしろいなと思って、離れて見てました。主人公とヒロインという形でやるなかで、漫才をやらないといけなくて。漫才のネタの打ち合わせをしていきながら惹かれていったというか、「すげーおもしろいなあ」であったり、協力してくれる姿勢をみたりとか。
お付き合いさせていただいて、自分が素でいられるというか、奥さんは「障がいのせいにするな」ってよく言うんです。「自分でできることは自分でしよ」って。一人の人間として見てくれてたことがすごい大きいと思います。

デートは県内、県外やっぱり自分たちの行きたいところに行きますね。買い物は「パークプレイス」とか、県外の観光施設にも行ったりします。大変だったなってエピソードとしては宮崎県の青島に行った時に、目的地に行くのにルートが2つあったみたいで……。ひとつは砂浜を巡るルートと、もうひとつは道が整ったルートがあったんですけど、なぜか、砂浜を通るルートを行ってたみたいで。嫁さんが砂浜で後ろから車いすを押しながら「きついよね」って言ってて、自分は乗ってるだけっていう。こっちのルートあったやんって着いてから気づきました。下調べがもっと必要だったなっていうエピソードのひとつですね。

今、2歳の男の子がいます。結構わんぱくですね。車いすに乗っていると膝に乗ってきて立ったりするんですけど、かわいいと思いつつ危ないよって。今は絵本を読んであげるとすごい喜びます。子どもが読んでっていうのは『はんぶんこ』と『まんま、まんま』です。息子は食べることが好きなので、そういう本になります。

※劇団まぜくる……障がい者・健常者・男性・女性・高齢者・外国人など垣根を越えて一つの目標に向け、いろんなひとが混ざりあい活動している。

バリアは人によってとらえ方が違うんです

現在、「ばりFLATおおいた」の代表として活動をしてます。障がいをもった方々が選択肢を一つでも広げられるように、選択肢の幅を広げてもらえるようなきっかけづくりを仕事としています。

自分たちは今までは「バリアフリー」、段差があったら段差がない情報を提供する考えだったんですけど、今の会社の方針としては、そのバリアを提供していくんですね。
なぜかというと、人それぞれバリアの受け取り方って違うんですよね。自分たちも障がいによってバリアを一人でも乗り越える力や、介助者が1人なのか、2人であれば行けるといった風に、写真を見て段差が何センチとか情報があれば行きたいところに自分で行けるわけですよね。なのでバリアフリーの情報だけであると、なかなか選択肢が狭まってしまうので、逆にバリアをどんどん提供していくことによって「この段差くらいなら全然行けるし」って思うのか、「この段差だったら厳しいからじゃあ介助者を4、5人連れて行こう」って、行きたいところにはどんなところでも行きたいと思うので写真や記事で情報を提供していこうと考えてます。

自分たちみたいな車いすユーザーだけでなく、ベビーカーを押している方とか高齢者とか様々なひとの手助けになればいいなと思って。あと、情報の提供の仕方についても今後やっていきたいなと思ってます。

大分んこと、知っちょん?
〜教えて! 大分の好きな◯◯〜

十二単巻


大分市の高城駅前にある「誉寿司(ほまれずし)」の十二単巻(じゅうにふたえまき)っていうのがあるんですけど。
中の具材がたくさん入ってて。熊本から実家の両親が来る時なんかにお祝い事で頼んだりします。

▼大分市高城本町
誉寿司

text & photo by Fumi Mitarai