大分市・児玉将人さん

「コミュニケーションデイサービス言の葉」主任/元工業系男子の言語聴覚士/失語症者と地域を繋げる架け橋へ

リハビリの仕事とは全く無縁の学生・社会人時代

工業高校出身でその後は関東で就職し、建築現場の監督として働いていました。リハビリの仕事は全く知らなかったし、まさか自分が言語聴覚士になるとは思ってもみなかったです。

リハビリの仕事に興味を持ったきっかけは、自分が病院の建築に携わったことからでした。病院が完成した後も何度か仕事で病院に行く機会がありました。そこで実際にリハビリをしている人たちに対して熱心に関わる理学療法士の方を目の当たりにし、この仕事ってカッコいいなと憧れを抱くようになりましたね。そこから一念発起し、地元の専門学校を受けるために勉強とバイトを両立させた生活が始まりました。

実は元々、理学療法士になりたかったんです。理学療法士の学科を受験したんですが、2回試験に落ちまして。2回目の試験が終わった後諦めかけていた時に、「言語聴覚士学科の定員に空きがあるからどうですか?」と学校側からお誘いがあり、そこから言語聴覚士を目指すことになりました。今となってはいい思い出ですし、人生の大きな分岐点でしたね。もし理学療法士になっていたらどうなっていたのかな……?

言語聴覚士の奥深さを感じる日々

専門学校に入学したての頃は、言語聴覚士って何をするのか正直分かっていませんでした。リハビリの専門職の中でもあまり知られていないですし、どういう仕事なのだろうと不安に感じることもありました。でも、勉強していくうちに言語聴覚士にしかできない専門分野がたくさんあることに気が付きました。

例えば、失語症の方とのコミュニケーションの取り方です。言語障害にもいくつか種類があって、話している言葉は理解できるけど話そうとする言葉がすぐにでてこない方や、声を出すことはできるけれど、相手の話を理解できないために話が噛み合わない方など症状は様々で、それぞれの方に応じた対応が求められます。一般の方とコミュニケーションを図ることとは全く異なり、とても奥が深いと感じましたね。

「コミュニケーションデイサービス言の葉」との出会い

卒業後の就職先は、リハビリに特化した回復期病院でした。入院された方は状態がある程度安定していて、毎日リハビリに励んでいました。日々の仕事についていくのがやっとでしたが、そこで働きながら言語聴覚士としてのやりがいを日々感じていました。

しかし、経験年数を重ねていくうち、言語障害を抱えた方が退院された後、たくさんの苦労があることを知りました。体が元気で一人で生活ができるようになった言語障害の方は一歩街に出ると、一般の方と同じように見られます。
街中で声をかけられたり、買い物したりする際もすぐ反応出来なかったりすると周りから冷たい目で見られて、そこから周りの人とコミュニケーションを取ることを遮断してしまうんです。実は家庭内でもそういうことが起こっているんですよ。

どうにか言語障害を抱えた方の生活をサポートできないかと考えていた時に、元々一緒の病院で働いていた上司が、大分市で言語障害に特化したデイサービスを始めたことを知りました。全国的にも珍しい取り組みだったし、その元上司と一緒に仕事をしたいという思いもあり、この世界に飛び込もうと決断しました。

まだ病院での経験が浅く迷った部分もありましたが、それよりもどんなことをして言語障害の方をサポートしていくんだろうという、ワクワクや期待感の方が強かったですね。

言語障害を抱えた方同士の「共感」を生む大切さ

「言の葉」では利用者様は全員言語障害を抱えた方々です。言語障害の方同士の会話やコミュニケーションは成り立たないのではと思う方もいるかも知れません。でも、これが面白いことに真逆なんですよ。

会話するのに時間は掛かるし、言い間違えることもたくさんありますが、お互いが冗談を言い合ったり、間違っていても笑い合える空間がここにはあります。

言語障害を抱えた方同士は、言いたいことが伝えられない歯痒さを共感しあえる仲間なんです。

それに気付いた時、自分の仕事は言語障害を抱えた方々のコミュニケーション機会を増やして「共感」や「一体感」を生む。その環境(きっかけ)づくりをすることなんだと思うようになりました。

今までは自分のやり方次第で関わる方の今後の人生が左右されるという強い責任を感じながら働いていましたが、最近はいい意味でそれがなくなりましたね。あくまで自分は架け橋になる存在なんだと思えるようになりました。

最近は「大分県言語聴覚士協会」の理事として、言語障害について一般の方に知ってもらうための活動に力を入れています。
言の葉で起こっている「共感」や「一体感」を地域社会にも広げていき、言語障害の方がもっと過ごしやすい街にしていくために活動していきたいと思っています。あと、今後は訪問リハの分野にも挑戦してみたいです。やりたいことだらけで整理しないとですね。

趣味は写真撮影。いいカメラを持っています!

大分んこと、知っちょん?
〜教えて! 大分の好きな◯◯〜

ラーメン龍の家(たつのや)の純豚骨ラーメン


家の近所ということもあり昔からよく行くラーメン屋です。
ここの純豚骨ラーメンが食べやすくて美味しんですよ。
私のおすすめは味玉入りで麺は硬麺。この一択ですね。
付け合わせのもやしや高菜がおかわり自由でご飯とよく合うので体重を気にしている方は食べ過ぎ注意ですよ。

▼大分市片島
ラーメン龍の家

text & photo by Yuya Watanabe