大分市・西田 楽さん

大分県高齢福祉課/OPEN OITAで介護の魅力を発信/ブレない仕事観

現在の仕事のきっかけは“大分県に住みたかった”から

福岡県北九州市に生まれ、生後1歳から高校卒業まで豊前(ぶぜん)市で育ちました。高校卒業後は、長崎の大学に進学しました。大学卒業後は豊前市の実家に帰り、北九州市にある不動産会社に就職しました。

仕事はとても忙しく、1日の仕事時間が長かったですし、休みも少なかったんです。朝早く仕事に行って遅くに帰るという、家と仕事の往復が続いていて、精神、体力ともに辛く余裕がなくてなっていたんですよね。
このままここで住み続けることは難しいなと思って、生涯をかけてどこで住みたいのかを考えました。

そんななか、子どものときに家族でよく出かけていた別府、大分の風景がふと思い浮かびました。子どものとき、週末に「城島後楽園ゆうえんち」(現「城島高原パーク」)や「アフリカンサファリ」、別府温泉に出かけたことを思い出して、そこから大分県に住みたいという思いが日に日に強くなっていきました。

大分は週末に家族で過ごす安らげる場所だったんです。どうすれば大分県に住むことができるかなって調べるなかで、県庁の仕事に行きつきました。
勤めていた不動産会社を辞め、昼は本屋で働きながら夜は専門学校に通いました。公務員試験に向けてひたすら勉強して、2013年に大分県職員として採用されました。

感情ではなく、ブレない目的をもつ

大分県での最初の赴任地は、別府の県税事務所でした。県の税金を管理したり集めたりするんですが、税金を滞納している人の所へ徴収しに行くこともありました。
滞納している方には、場合によっては預金や資産の差し押さえをすることもあったんです。

最初は抵抗があり、「こんなことしていいのかな」と思っていました。そのときに先輩から言われたのは、
「一見厳しいようだけど、我々がしっかり手順を踏んで早めに税金本体のうちに徴収することは、皆さんにとって優しいことなんだよ」
と教えられました。

滞納金が当初の納税額の何十倍にもなるケースもあり、そのような方を増やさないようにするために重要だったんです。
先輩の言葉を聞いて、感情ではなく法律とか目的をもって働かないといけないと気が付きました。相手の話を親身に聞くだけではブレてしまう。

「かわいそう」「今回はいいよ」と言ってしまうと、結果その方にとってよくないことになってしまう。どんな仕事にも共通することだと思いますが、感情だけで判断しないことが大事です。大変な仕事でしたが、先輩や同期に支えられました。

福祉の仕事と子育て

県税事務局で2年半働いた後、福祉の分野へ異動となりました。はじめは障害福祉課に3年、次に東京の厚生労働省に1年間研修生として派遣され、今年(2020年)4月から大分県庁に戻って高齢福祉課に勤務しています。

障害福祉課の最初の2年は、予算をたてたりする総務を担当しました。
3年目に精神保健福祉班に配属になりまして、精神障がいのある方への公共交通の利用、移動支援に関わりました。

今の高齢福祉課での仕事は、県内の介護に従事する方の働く場や人材の確保です。介護に直接携わっていない僕が言うのも恐縮ですが、介護は人の人生に寄り添える大事な仕事だと感じています。高齢の方々を相手にしながら、人生のクライマックスにも関わります。
そんな仕事はそう多くないんだろうなと感じています。

介護は多くの人と関わる仕事なので、自分の人生における人と人とのつながりがそのまま仕事にもなると思います。人とつながるなかで、自分の言葉をもつことがとても大切だと思います。

OPEN OITAでのチャレンジとして、大分の介護の魅力を他産業の方々にも発信していき、介護に従事する人を増やしていきたいですね。

家庭では妻も働いていて、2歳の息子も保育園に通い出しました。これまで以上に家族のなかに自分がいることを感じていて、仕事の仕方も変わってきています。仕事はスケジュールを管理しながらメリハリをつけてしなくちゃいけないと思いつつ、まだできていないですね……。
仕事と子育てをしっかり両立していきたいです。

大分んこと、知っちょん?
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空と海を眺めるかんたん港園


厚生労働省への派遣で東京に行ったとき、仕事は大きな変化はなく続けられましたが、人の多さやビルの高さに疲弊していました。
帰ってきたときは大分の自然を見て「ここが我が家だな」と実感し、自分でも気づかなかった緊張が一気にとれていきました。自然の青を見ると、優しさや広さを感じます。特に西大分にある「かんたん港園」は広い空と海を一望できるスポットです。休みの日は朝から散歩したり、リラックスしたりできる場所です。

▼大分市生石
かんたん公園

text & photo by Kazuya Matsuda