きっかけは「任侠ヘルパー」のドラマでした
子どもの頃から特定疾患があり、たくさんの人に助けてもらっていて、何らかの形で恩返ししたいと思ってたし、母親が看護師というのもあって、人の役に立つ仕事には就きたいと思ってました。
ただ、看護師の仕事は採血とか血を見ることもある仕事なので、血が苦手な私は無理やなって。
高校生になった時に、祖母が介護施設へ泊まりに行くサービスを使っていて、家で介護している時に、楽しいとは感じてました。
それに、母親が看護師で私が介護の仕事につけば、祖父母を助けられるんじゃないかなって。
ちょうどその頃にやっていたドラマ「任侠ヘルパー」を観ていて、主人公が不器用ながらも一生懸命に利用者や介護の在り方に向き合う姿が印象的で、どんな人でもやれるすばらしい仕事なんやなって。ドラマで介護の世界に引き込まれていったのを覚えています。
だから、高校1年生の冬に介護ヘルパーの資格を取ろうと決心して、学校が休みの日を利用して取りに行きました。
資格を取得中、実習先から「働いてみない?」と声がかかったけれど、高校生だと伝えると無理だって言われたりして……。
気持ちが折れそうになった時もあったけど、資格を取るからには、絶対介護の仕事に就くって決めてたから、高校生でもアルバイトができる施設を探しました。その中で、家の近くにある施設が、私のやる気をかってくれて、働かせていただくことになりました。その時は、本当に嬉しかったですね。「任侠ヘルパー」のドラマのような世界があるって思ってたから。

介護のイメージを私が変えてみせる
働き始めてしばらくすると周りからは「若いのになんでそんな仕事に就いてるん」「きついし、汚いし、給料も安いし」って言われて。確かにいいことばかりじゃないから、正直なところ何度も辞めたいって、ドラマのようにいかんなと思ったこともあります。
でも、若いから辞めたって思われるのも嫌で……こう見えて負けず嫌いやから、私。それに、利用者さんからは「あんたが居ったら元気になるわ」とか「来るの待ってたで」って言われることがあって、その言葉は嬉しいし頑張れる、励みになる。何より利用者さんの近くで寄り添うことができて最期まで看ることができる素敵な仕事やから。やっぱり、この仕事に就いてよかったなって心から思う。
だから、周りの人たちがイメージする介護の世界を変えたいといつしか思うようになっていきました。
何やったら私が変えたるわって。
だって、なりたい自分に出会える魅力のある世界だから。

カッコいい大人の女性になりたい
22歳の時に特定疾患が再発して長期入院を余儀なくされて、しかも、長く介護の世界で働けない可能性が出てきて、辞めようかと悩んだ時期がありました。
実際、高校生の時から働いていた職場は、夜勤とかもあったりして身体がついていかなくて、相談もしたけど色々あって、負けず嫌いの性格でも、続けることは難しかった。
この職場で介護のイメージを変えたかったから、悔しかったですね。
今の職場では病気のことをしっかり理解してくれていて、いつ介護業界で働けなくなるかわからないから複業もしているんですが、そこも理解があって、楽しく仕事ができています。
複業というのはSNSを利用して自分を発信する仕事しているんですけど、仕事仲間が意外と介護士をしている人が多くて、しかも同世代。
なので、今は私と同じように介護のイメージを変えたいと思っている仲間を集める活動もしています。
SNSで発信し続けることで、私についてきてくれる人が増え、イメージを変えていけることがあれば何でも挑戦し続けたい。そして、常に前へ進んでいるそんなカッコいい大人の女性でいたいし、なりたいと思っています。
大分んこと、知っちょん?
〜教えて! 大分の好きな◯◯〜

text & photo by Michiko Hatta
※大阪府より参加


