大分市・上野次男さん

大分豊寿苑「パワーアップ教室」ボランティア

「パワーアップ教室」を利用し始めた経緯

腰の手術をしてから、階段も手すりを使わんといけんし、一人で下着も穿けんやった(穿けなかった)。地域包括支援センター※1の人に、生活のことを聞かれて、チェックリストに運動不足の項目にいくつか引っかかってたから運動機能を上げるための「パワーアップ教室※2」に行ってみたらどうかって言われました。

包括の人から、どんなことをやるのかは話で聞いていたけど、こういうところは来たことがないし、本当効果があるんかなと思ってた。けどもう自分でズボンも穿ききらんく(穿けなく)なってたし、もともとスポーツもしてたから歯がゆくてな。効果があるならと思って、通うことにしました。

※1 地域包括支援センター……介護・医療・保健・福祉などの側面から高齢者を支える「総合相談窓口」のこと。「包括」と呼ばれる。
※2 パワーアップ教室……大分豊寿苑が大分市の委託を受けて実施している通所型サービスCのこと。生活機能を改善するために運動器機能向上や栄養改善、口腔衛生のプログラムを3か月の短期間で行うサービスのこと。

「パワーアップ教室」を行っている大分豊寿苑。

実際に参加してみて

最初に、体力測定があってそのときが片足立ちが10秒行くか行かないかぐらいやった。3か月通ってみて結局は片足立ちが1分行くようになって、私は効果としてはすぐに出たと思っている。

もともとスポーツをしたいっていう目標があったから、教室自体は週に1回しかなかったけど家で習った運動は毎日したな。理学療法士さんや作業療法士さんが私にあった体操を教えてくれたり、栄養士さんからは食事のこと、歯科衛生士さんからは口腔のことを教えてもらったりした。わからないことは気軽に質問して勉強して帰っていました。
他の人はわからないけど、ほんとに3か月間教室がない日も教えてもらった運動や生活まわりのことはほとんど毎日家で続けていました。
結局は本人の考え方やと思うな。いかに自分が楽になりたいか、動けるようになって元に戻りたいかっていう気持ちで運動を続けることが1番やと思う。

ボランティアとして「パワーアップ教室」に参加

結局、3か月利用者として「パワーアップ教室」に通いました。けどこの期間は正直少ないなって感じやったな。もう少し時間をかけたいなと思ってた。

卒業するときにスタッフの方から「ボランティアとして来てくれないか」と声がかかった。実際に、教室が始まるまでの空いてる時間は機械を使って運動しもいいとのことでボランティアを始めるきっかけになったな。自分もまだ運動を続けることができるし、声をかけてくれたスタッフからは自分の経験をほかの方にも話してほしいと言われ引き受けた。

まあ、腰のことであれば自分でも話せることがあるかなと。実はボランティアの話がほかの施設からもあったんやけど、ここの施設のほうが自分には合ってるなと思って、こちらのボランティアを引き受けました。

ボランティアをやっていると、歩く機械(ランニングマシン)で走ろうとして無理な速度でやってる方がおった。姿勢も悪かったけん、「自分の歩ける速度よりもほんの少し早いくらいでやったほうがいい」と自分の経験も含めて声をかけている。
激しい運動でなくても、自分に合った運動をやったほうが続けられるし体も痛めんから、そうことは言ってるな。たまに膝とか足の痛みなんかを聞いてくる人もおるけど、俺はそこに関してはわからんけん、そういう専門的な部分は「専門家のスタッフにいい体操やら運動方法を聞いて『家で』やった方がいいですよ」ってみんなに言っている。私たち(ボランティア)にできることはそのくらいしかないので。

今は何をやっているか

今はグランドゴルフもしよんし、ゲートボールをやりよんなあ。大会もあったから2回ぐらいは参加したけど、最近はコロナのこともあって回数は減ってるけどな。

腰の手術もしたから元のようにはプレイできんけど、せめて自分の健康作りのためと思ってやっている。雨の日は部屋にマットを引いて習った体操なんかはしよんで。うちは犬も飼っとるから夜なんかに歩けばそれも運動になるしな。運動は自分のためだからこれからもやっていくよ。

大分んこと、知っちょん?
〜教えて! 大分の好きな◯◯〜

大分の海


大分の海が好きやなあ。佐賀関出身やけん、海岸端を歩いたりしてる。
昔は船で釣りもしてたし、今はわかめを採って干したりもしてるよ。

▼大分市三佐
埠頭

text & photo by Keisuke Fujiwara