由布市・田中真純さん

介護福祉士/社会福祉法人若山会 若葉苑

仕事のオン・オフはしっかりと

高校を卒業して、18歳からこちらで働いています。11年目になります。介護科のある高校だったので、夏のボランティアでここ若葉苑に来たんです。入居者の方とおしゃべりするのが目的だったんですが、実際に施設の中に入ってみると、働いている人たちが皆優しくて、楽しそうだし、アットホームな雰囲気でした。それでそのまま就職、っていう感じです。

やっててよかったと思うことですか? 入所者の方の笑顔を見るのが嬉しいですね。皆さん、こちらに来て間もない頃は緊張されていると思うんです。こちらで過ごす時間を重ねるにつれて、だんだん心を開いてくれるときが嬉しいです。笑顔でお話できるだけで、もうね。

仕事のオンオフはしっかりとるようにしています。休憩時間には、おべんとうを食べながらInstagramをチェックしてますね。「ほしのこCH」という主婦YouTuberのアカウントがお気に入りです。メイクやお料理を真似しています。

セラピー犬のはなちゃん。若葉苑のアイドルだ。

ガンの母の看取り……

数年前にわたしは母をガンで亡くしました。職場に無理を言って、1か月くらい休みをもらって看取りをしました。この経験も仕事に活かせたらいいな、と思ってました。というか、仕事として看取りをしていたので、母の看取りもできると思っていたんです……。ただ、やってみると全然違いましたね。そもそも家は、仕事を終えたオフモードの場所。オンとオフの切り替えが難しかったです。

お看取りをしたあとって、「あれをしてたら……」という後悔がすぐ浮かんでしまうんですよね。正解がないからでもあると思います。だけど、そのときそのときに全力で向き合うことが大事なんじゃないでしょうか。入居者の方のご家族にも、なるべくたくさんの時間を共に過ごしてほしいですね。母を看ていたときは、職場の人たちにほんとうに支えてもらいました。休みの間も連絡をくれたり……。復帰したときもいろんな人に声かけてもらって。復帰しやすい環境を作ってもらったのも、ありがたかったです。

ノーリフティングケアの必須アイテム「スライディンググローブ」を使っての介助の様子。

女性の働き方を考える

ここではノーリフティングケアを取り入れています。これは入居者さんを持ち上げない、引きずらない、と同時に働く側の身体的負担を減らしています。腰痛になってしまうひとがとても多かったので。働くひとたちにも安心や安全が必要ですよね。

※ノーリフティングケア……介護する側・される側双方において安全で安心な、持ち上げない・抱え上げない・引きずらないケアのこと。

特養で仕事をする女性がもうすこし働きやすい環境になったらいいなって個人的には、思っています。若い女性職員がけっこう多いんですよ。わたしも含めてこれから結婚・出産を経験して、子どもを預けられないから働けないってもったいないと思うんです。家族の協力だけでなく、保育園などで見てくれるところさえあれば、しごととも両立できるんじゃないかなって。最近そんなことを考えるようになりましたね。

大分んこと、知っちょん?
〜教えて! 大分の好きな◯◯〜

トキハ本店


百貨店のトキハ。休みの日に、よくメイク用品を買いに行きます。いい香りが混ざった店内にテンションが上ります!

▼大分市府内町
トキハ本店

text by Azusa Yamamoto
photo by Takamasa Anan